作品5 史記 (司馬遷 項羽本記より)

 

 

 

 

 

 

50cm(高さ)

20cm(幅)

 

 

 

 

 

 

 

 
 

「史記」
私が最も敬愛してやまない歴史家そして作家である司馬遷の 「史記」より。
史記は 「本記」 「世家」 「書」 「表」 「列伝」 から成ります。 「本記」 というのは、神代に近い時代より前漢までの中国の歴代の支配者の出生や人となり、治世を綴ったものです。
項羽は厳密にいうと支配者とはいえないのですが、秦を亡ぼした人物でもあり不思議な魅力のある人間として司馬遷は 「本記」 に入れたものといわれています。
「史記」 の 「本記」 の中で、あまりにも有名な場面、垓下において項羽が劉邦に追いつめられ四面楚歌の時、彼は本陣の帳(とばり)の中で酒を飲み悲嘆慷慨して詩をつくり歌いました。 愛馬騅と愛妾虞美人に向けてです。
「力は山を抜き気は世を蓋(おお)う、時、利あらず。 騅逝かず。 騅逝かず、奈何(いかに)すべき、虞や虞や若(なんじ)を奈何(いかに)せん」 と。